【武蔵野台地の川探訪】霞川

万年橋付近の霞川

霞川概要

 霞川は武蔵野台地の河川と言うよりは台地の北縁部を流れる川で、多摩川が北上していた時代の旧流路に比定される河川です。実際に水源は多摩川が山地から出た扇状地の上端部付近で、加治丘陵と武蔵野台地の中でも特に古い台地である金子台のはざまを流れ、金子台と加治丘陵からの小河川を合わせながら入間川に注ぎます

 従って、河川の性質的にもあまり台地上の河川という感じではありません。

 一見武蔵野台地の河川では規模が大きい方に見えるかもしれませんが、流路延長15.8 km、流域面積 26.8 km²と流域面積では石神井川の半分以下で規模は小さいです。

 探訪は実際には霞川の下流からさかのぼっていきましたが、ここでは上流からご紹介します。(撮影:2021年9月)

①源流部、加治丘陵

 霞川の水源は青梅北部の加治丘陵の沢です。

 一応本流は勝沼2丁目付近の沢のようですが、ほぼ同規模の小さな沢が複数あります。

 この付近は多摩川がすぐ南を流れており、流路の変化で大河を失った谷に加治丘陵の沢の水が集まってできたのが霞川であるというのが分かりやすい地形です。

②上流部

 丘陵部から出た霞川は武蔵野台地の北端をゆったりと流れます。左岸には加治丘陵が見え、加治丘陵の沢が主な水源の川ですが、武蔵野台地側からの支流も見られます。

 霞川は下流よりも上流の方が多摩川流路跡の谷が大規模に残っている印象で谷が広く、周囲に水田が広がっています。特に青梅市木野下のあたりは今寺天皇塚水田(関東の富士見百景)があり、親水護岸も整備されていました。

 ただ、思っていたよりもコンクリート護岸がしっかり整備されている川で、のどかな田園風景の印象を受ける区間は少ない印象です。

③中流部

 中流域は武蔵野台地西部ではお馴染みの茶畑の中、鉄塔と並行して流れます

 北には加治丘陵が隣接し、大きな支流はありませんが小さな沢を合わせて少しずつ流量が増えている様子がうかがえます。

④入間市豊岡付近の蛇行

 豊岡付近で北上し、蛇行しながら北上します。これは加治丘陵の端部を迂回して入間川の低地に落ちていくためです。

 ところどころに落差工があり、やや流れも急な印象です。

⑤入間川の低地を流れる

 入間川低地は直線的な区間になっています。おそらく人為的なものでしょうが、直線的に入間川の低地に下りてくるので落差工がいくつかありました。

 河床にはブロックが目立ちます。

⑥入間川へ合流

 霞川は狭山市で入間川に合流しています。合流点がある入間川左岸は藪が茂っていて近づけませんでしたが、対岸は河川敷に運動場があり、道路も河川際まで整備されていたので比較的近づきやすいです。


 以上が霞川の探訪レポートです!

 武蔵野台地の最奥部の河川と言うべき川ですが、思っていたよりものどかな雰囲気は少なく、コンクリート護岸が多い印象、遊べる場所も少なめなのは残念でした。


 比較的流路の高低差があるので、私は下流からさかのぼりましたが上流から一緒に降りていた方が楽だと思います。

武蔵野台地の湧き水復活を考える

外環道の開通工事を控え、 改めてかつて豊富な湧水量を誇った三宝寺池をはじめとした 武蔵野三大泉(井の頭池・善福寺池)の湧き水復活について、 石神井公園を愛する一般市民の立場から考えたいと思います!

0コメント

  • 1000 / 1000