台風19号後の石神井川⑥ 小金井CCと鈴木の谷頭

 台風19号ハギビスの豪雨一週間後の石神井川を遡るシリーズ。

 嘉悦大学構内の普通河川区間にも流水が確認でき、並走する雨水幹線にも相当な水が流れている事が推測できました。


 しかし、嘉悦大学上流の小金井カントリークラブ敷地内は立ち入りが出来ませんし、雨水幹線内部の状況は見ることはできません。

 しかし、流水がある以上どこかで湧出していることは間違いないので、とりあえず上流へ。嘉悦大学より上流側で石神井川の谷へ下りられるのは、小金井カントリークラブを小金井街道が縦断するこのあたり。

 この東側部分、谷を盛り土して開通している小金井街道から、谷の底を目を凝らして見下ろしてみると、水路が一か所だけ開渠になっている場所をみつけることができます。

 写真は下が上流側(西側)、上が下流側(東側)です。

 このときは茂みで隠れてよく分かりませんが、 下部から二つの水路が合流し、上部も二つの水路に分水しているような場所になっています。


 普通河川石神井川の暗渠水路と、雨水幹線石神井幹線についてはどうなっているのか諸説あり、この場所がどちらの水路の場所なのか、あるいは一旦ここで合流し、また分水しているのかは分かりませんが、少なくともこの日はある程度の水量がここでも確認することができました。


 ちなみに、wikipediaでは石神井川の小金井カントリークラブ内の水路は埋め立てられたという説明がありますが、少なくとも小金井カントリークラブの東側のエリアの谷底にあるINコース18番の一部ではまだ開渠である可能性が高いです。

 まず、Googleの航空写真でそれと思われるものが確認できること。

 そして、小金井カントリークラブのオフィシャルサイト内でも、コース紹介の図面に水路が描かれ、空撮映像にも林縁部の下部に橋がいくつかあるのが確認できます。

 小金井街道からは植栽により、18番コースは見る事が出来ないので、この水路にこの日、水が流れているのかどうかは確認ができません。

 また、こちらは小金井街道の西側、石神井川のさらに上流側を見た光景。中央にゴルフ場の池がありますが、特に変わった様子はありません。

 石神井川は再びゴルフ場の中を流れ、鈴木一丁目付近へ。

 一旦、小金井カントリークラブの方をのぞき込んでみるも、こちらも見たところ変わった様子はなし。

 ただし、ゴルフ場というのは通常、元の地面の上に暗渠の排水路を無数に張り巡らせ、砂利や砂をかけ、その上に芝生を育てる土壌を盛っているものなので、地表で湧出する前に地下の水路に排出されているものと思われます。

 なので、ゴルフ場の中で湧水というのは基本的には見つけられません。まぁゴルフ場にとっては排水というのは営業に関わる問題なので、小金井カントリークラブもそのあたり万全を期しているのでしょう。


 実際、小金井カントリークラブのオフィシャルサイトを見ても、敷地内で湧水が湧いてコースの一部が水たまりになっているなどの情報は全くありませんでした。


 さて、小金井カントリークラブの西側(上流側)は、北に八木南公園、南に日立国際電気の工場、西に鈴木小学校がある窪地になっています。日立国際電気は数年前まで石神井川に冷却水を供給していた工場です。

 この鈴木一丁目の窪地こそが石神井川の谷頭で、現在は住宅街になっています。谷を囲む形で斜面上部には石神井川の恩恵を受けていたと思われる鈴木遺跡も広がっています。

 谷頭なので南北と東の三方に斜面があるこの土地、一通りまわってみました。

 ・・・特に湧水が染み出している場所を見つけることはできませんでした。

 しかし、石神井川源流部のどこかで湧水が復活していることは事実です。そしてそれは恐らく小金井カントリークラブの中のどこかであると考えられます。


 谷頭部まで来てしまったので石神井川の踏査はこれで終了です。

 個人的には各調整池での湧出と、嘉悦大学構内の水路の流水復活が大変うれしい発見であり、武蔵野台地の帯水層も水の雨水の地下水への浸透があれば生き返ることができのだと感じた今回の出来事でした。

 せっかくなのでここから北へ歩みを進め、黒目川源流のさいかち窪も見に行くことにしました。

武蔵野台地の湧き水復活を考える

外環道の開通工事を控え、 改めてかつて豊富な湧水量を誇った三宝寺池をはじめとした 武蔵野三大泉(井の頭池・善福寺池)の湧き水復活について、 石神井公園を愛する一般市民の立場から考えたいと思います!

0コメント

  • 1000 / 1000